ゆうほのレビュー&Review

読書と宝塚歌劇と日々の記録

ふたご / 藤崎沙織

ふたご

直木賞候補作になった作品という事で、気になっていました。

ただ、なかなか読む気にならず、積ん読状態だったこの小説。
表紙を開くまでは正直期待はしていなかったのですが、読み始めた瞬間とまらなくなりました。

SEKAI NO OWARIの事はネットで流れているような簡単な情報しか知りませんが、限りなくノンフィクションに近いフィクションなのでしょうか。

実際にこんな青春時代を過ごしていたとしたら、なんて壮絶でドラマティックな人生。
どこまでが本当にあった事で、どこからが虚構なのか。
私小説ですね。良いと思います。

運命というのはこういう風に抗えないものなのでしょう。
主人公のなっちゃんの感情は特にリアルに響いて、魂の叫びを聞いている様でした。

文章は変な癖がなく読みやすく明快、内容は重いのに重さを感じさせません。
私は重い内容の小説を読むと、読後、何かどろりとしたものが自分に残ることが多いのですが、この作品はそんな事が一切なかったように思います。

シンプルに小説として面白かったです。

図書館の魔女 / 高田大介

図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫)

小野不由美先生の十二国記の新作がなかなか発表されず、ファンタジーに飢えていた私

十二国記好きの人がオススメする小説を検索したところこちらのシリーズが出てきました。

本屋でパラパラしてみるものの、これは立ち読みでさらっと流し読みできるものではないと即時に判断。

時間がある時にじっくり取り組もうと寝かしておりました。

満を辞して読みはじめたら、この世界観に一気にハマってしまいました。

 

山の中暮らしていた少年キリヒトと「図書館の魔女」と呼ばれ人々から恐れられている声を持たない少女マツリカのいわゆるボーイミーツガールなお話なのですが、、、

伏線に伏線が綾のように折り重なり、言語学の研究者である作者の言語学へのこだわりが随所に散りばめられ、時には感動し、時には難しくて読み進めるのがしんどくなる、、、のですが、面白い。

とにかく、とんでもなくツンデレなマツリカが可愛くてしょうがない。

そして、そんなマツリカを懸命に守ろうとするキリヒトが可愛くてしょうがない。

難解な文章が続いた後に、びっくりするような展開や、とんでもなく可愛くてニヤニヤする場面が出てきます。(恋とか好きとかそういう甘ったるい雰囲気ではなく、完全な主従関係なのですがね。)作者による読者への飴と鞭が続きます。

文庫本で全4巻の大作。その先がきになるラストです。

シリーズ第2作の「烏の伝言」は出版済。次はまだの模様。

私が好きになる作家さんは好きになると執筆が遅くなる(執筆しなくなる)傾向があるので不安ですが、ひたすら新しい作品を待ちたいと思います。

 

 

凪のお暇 / コナリミサト

[まとめ買い] 凪のお暇

 

久々にはまって、購入後なんどもなんども読み返しています。

書店でオススメ本として展示されていたものの、その時は表紙にピンとこなくて...

電子書籍で1巻無料キャンペーンをしていたので、試し読みしたことろ、続きが気になりすぎて購入。

最初はあまり好きじゃないかなと思っていた緩めのイラストが逆に漫画の雰囲気と良くあっていて、今となってはむしろこの絵だから味があって良い!と思わせます。

 

節約大好き庶民派のOL→今はニートで就活中の凪ちゃん

みんなの人気者でモラハラだけど実は凪ちゃんにぞっこん(元)彼の慎二くん

ゆるゆるメンヘラメーカー ゴンさん

 

いったいこの先どおなるの!?

ありそうでなかった気がするオトナ女子漫画です。 

サロメ / 原田マハ

サロメ

オーブリー・ビアズリーの名前をこの本を読むまでは知らなかった。

しかし、この本の表紙を飾る独特なタッチのイラストに既視感があった。

血の滴る生首を捧げ持ち、いまにも接吻しようとその首を見つめ、宙に浮いている女性

The Climax と名付けられたこのイラストだけでも、一体どんな話が繰り広げられるのだろうと期待値が上がる。

わたしと同様オーブリービアズリーの名前は知らなくとも、彼の作品をどこかで目にしたことがある人は多いのではないだろうか。

 

小説は現代のロンドンから始まる。

オスカーワイルドの研究者からビアズリーの研究者が見せられたものは、ビアズリーの未発表の「サロメ」だった。

その後時代を遡り、小説はオーブリービアズリーの姉、舞台女優であったメイベルビアズリーの視点で語られる。

その後は史実とフィクションが入り混じり、恋と嫉妬と背徳と野心が描かれる、オーブリービアズリーとオスカーワイルドとメイベルビアズリーの物語である。

頽廃的で刺激的な内容なのに、どこか読みごこちはさらっとしているのは原田マハの持ち味。

原田マハさんの作品の中ではとてもおすすめ。

 

 

自分用メモ

関連して読みたい書籍

サロメ/オスカーワイルド(平野啓一郎訳)

ISBN-13: 978-4334752484

サロメ (光文社古典新訳文庫)

サロメ (光文社古典新訳文庫)

  

初めまして

初めまして。こんにちは。
宝塚歌劇への思いや読書や日々の記録をしていきたいなと思いブログをはじめました。

宝塚ファンとしては2013年月組さんのベルサイユのばらが初観劇の研究科5年生。
阪急沿線在住のため、主にムラや梅田などで観劇しております。
若輩者ですが、おひまな時にお付き合いいただければ幸いです。