ゆうほのレビュー&Review

読書と宝塚歌劇と日々の記録

図書館の魔女 / 高田大介

図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫)

小野不由美先生の十二国記の新作がなかなか発表されず、ファンタジーに飢えていた私

十二国記好きの人がオススメする小説を検索したところこちらのシリーズが出てきました。

本屋でパラパラしてみるものの、これは立ち読みでさらっと流し読みできるものではないと即時に判断。

時間がある時にじっくり取り組もうと寝かしておりました。

満を辞して読みはじめたら、この世界観に一気にハマってしまいました。

 

山の中暮らしていた少年キリヒトと「図書館の魔女」と呼ばれ人々から恐れられている声を持たない少女マツリカのいわゆるボーイミーツガールなお話なのですが、、、

伏線に伏線が綾のように折り重なり、言語学の研究者である作者の言語学へのこだわりが随所に散りばめられ、時には感動し、時には難しくて読み進めるのがしんどくなる、、、のですが、面白い。

とにかく、とんでもなくツンデレなマツリカが可愛くてしょうがない。

そして、そんなマツリカを懸命に守ろうとするキリヒトが可愛くてしょうがない。

難解な文章が続いた後に、びっくりするような展開や、とんでもなく可愛くてニヤニヤする場面が出てきます。(恋とか好きとかそういう甘ったるい雰囲気ではなく、完全な主従関係なのですがね。)作者による読者への飴と鞭が続きます。

文庫本で全4巻の大作。その先がきになるラストです。

シリーズ第2作の「烏の伝言」は出版済。次はまだの模様。

私が好きになる作家さんは好きになると執筆が遅くなる(執筆しなくなる)傾向があるので不安ですが、ひたすら新しい作品を待ちたいと思います。